【訪問介護】運営基準(解釈通知)

3 運営に関する基準
(1) 内容及び手続の説明及び同意 居宅基準第8条は、指定訪問介護事業者は、利用者に対し適切な指定訪問介護を提供するため、その提供の開始に際し、あ らかじめ、利用申込者又はその家族に対し、当該指定訪問介護 事業所の運営規程の概要、訪問介護員等の勤務体制、事故発生 時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択す るために必要な重要事項について、わかりやすい説明書やパン フレット等(当該指定訪問介護事業者が、他の介護保険に関す る事業を併せて実施している場合、当該パンフレット等につい て、一体的に作成することは差し支えないものとする。)の文 書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定訪問 介護の提供を受けることにつき同意を得なければならないこと としたものである。なお、当該同意については、利用者及び指 定訪問介護事業者双方の保護の立場から書面によって確認する ことが望ましいものである。
(2) 提供拒否の禁止 居宅基準第9条は、指定訪問介護事業者は、原則として、利用申込に対しては応じなければならないことを規定したもので あり、特に、要介護度や所得の多寡を理由にサービスの提供を 拒否することを禁止するものである。また、利用者が特定のサ ービス行為以外の訪問介護サービスの利用を希望することを理 由にサービス提供を拒否することも禁止するものである(ただ し、「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(平成 12年11月16日老振第76号)の1を除く。)。提供を拒むことので きる正当な理由がある場合とは、1当該事業所の現員からは利 用申込に応じきれない場合、2利用申込者の居住地が当該事業 所の通常の事業の実施地域外である場合、その他利用申込者に 対し自ら適切な指定訪問介護を提供することが困難な場合である。
(3) サービス提供困難時の対応
指定訪問介護事業者は、居宅基準第9条の正当な理由により、 利用申込者に対し自ら適切な指定訪問介護を提供することが困 難であると認めた場合には、居宅基準第10条の規定により、当 該利用申込者に係る居宅介護支援事業者への連絡、適当な他の 指定訪問介護事業者等の紹介その他の必要な措置を速やかに講 じなければならないものである。
(4) 受給資格等の確認
① 居宅基準第11条第1項は、指定訪問介護の利用に係る費用につき保険給付を受けることができるのは、要介護認定を受 けている被保険者に限られるものであることを踏まえ、指定 訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、利用 者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認 定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめなければならな いこととしたものである。
② 同条第2項は、利用者の被保険者証に、指定居宅サービス の適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事 項に係る認定審査会意見が記載されているときは、指定訪問 介護事業者は、これに配慮して指定訪問介護を提供するよう に努めるべきことを規定したものである。
(5) 要介護認定の申請に係る援助
① 居宅基準第12条第1項は、要介護認定の申請がなされてい れば、要介護認定の効力が申請時に遡ることにより、指定訪 問介護の利用に係る費用が保険給付の対象となりうることを 踏まえ、指定訪問介護事業者は、利用申込者が要介護認定を 受けていないことを確認した場合には、要介護認定の申請が 既に行われているか否かを確認し、申請が行われていない場 合は、当該利用申込者の意向を踏まえて速やかに当該申請が 行われるよう必要な援助を行わなければならないこととした ものである。
② 同条第2項は、要介護認定の有効期間が原則として6か月 ごとに終了し、継続して保険給付を受けるためには要介護更 新認定を受ける必要があること及び当該認定が申請の日から3 0日以内に行われることとされていることを踏まえ、指定訪問 介護事業者は、居宅介護支援(これに相当するサービスを含 む。)が利用者に対して行われていない等の場合であって必要と認めるときは、要介護認定の更新の申請が、遅くとも当 該利用者が受けている要介護認定の有効期間が終了する30日 前にはなされるよう、必要な援助を行わなければならないこ ととしたものである。
(6) 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
居宅基準第15条は、施行規則第64条第1号イ又はロに該当する利用者は、指定訪問介護の提供を法定代理受領サービスとし て受けることができることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、 施行規則第64条第1号イ又はロに該当しない利用申込者又はそ の家族に対し、指定訪問介護の提供を法定代理受領サービスと して受けるための要件の説明、居宅介護支援事業者に関する情 報提供その他の法定代理受領サービスを行うために必要な援助 を行わなければならないこととしたものである。
(7) 居宅サービス計画等の変更の援助
居宅基準第17条は、指定訪問介護を法定代理受領サービスとして提供するためには当該指定訪問介護が居宅サービス計画(法 第8条第21項に規定する居宅サービス計画をいう。以下同じ。) に位置付けられている必要があることを踏まえ、指定訪問介護 事業者は、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合(利 用者の状態の変化等により追加的なサービスが必要となり、当 該サービスを法定代理受領サービスとして行う等のために居宅 サービス計画の変更が必要となった場合で、指定訪問介護事業 者からの当該変更の必要性の説明に対し利用者が同意する場合 を含む。)は、当該利用者に係る居宅介護支援事業者への連絡、 サービスを追加する場合に当該サービスを法定代理受領サービ スとして利用する場合には支給限度額の範囲内で居宅サービス 計画を変更する必要がある旨の説明その他の必要な援助を行わ なければならないこととしたものである。
(8) 身分を証する書類の携行 居宅基準第18条は、利用者が安心して指定訪問介護の提供を受けられるよう、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事 業所の訪問介護員等に身分を明らかにする証書や名札等を携行 させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたとき は、これを提示すべき旨を指導しなければならないこととした ものである。この証書等には、当該指定訪問介護事業所の名称、当該訪問介護員等の氏名を記載するものとし、当該訪問介護員 等の写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましい。
(9) サービスの提供の記録
① 居宅基準第19条第1項は、利用者及びサービス事業者が、その時点での支給限度額の残額やサービスの利用状況を把握 できるようにするために、指定訪問介護事業者は、指定訪問 介護を提供した際には、当該指定訪問介護の提供日、内容(例 えば、身体介護、生活援助、通院等のための乗車又は降車の 介助の別)、保険給付の額その他必要な事項を、利用者の居 宅サービス計画の書面又はサービス利用票等に記載しなけれ ばならないこととしたものである。
② 同条第2項は、当該指定訪問介護の提供日、提供した具体 的なサービスの内容、利用者の心身の状況その他必要な事項 を記録するとともに、サービス事業者間の密接な連携等を図 るため、利用者からの申出があった場合には、文書の交付そ の他適切な方法により、その情報を利用者に対して提供しな ければならないこととしたものである。また、「その他適切 な方法」とは、例えば、利用者の用意する手帳等に記載する などの方法であるなお、提供した具体的なサービスの内容 等の記録は、居宅基準第39条第2項の規定に基づき、2年間 保存しなければならない。
(10) 利用料等の受領
① 居宅基準第20条第1項は、指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定訪問介護についての利 用者負担として、居宅介護サービス費用基準額の1割又は2 割(法第50条若しくは第60条又は第69条第3項の規定の適用 により保険給付の率が9割又は8割でない場合については、 それに応じた割合)の支払を受けなければならないことを規 定したものである。
② 同条第2項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点か ら、法定代理受領サービスでない指定訪問介護を提供した際 に、その利用者から支払を受ける利用料の額と、法定代理受 領サービスである指定訪問介護に係る費用の額の間に、一方 の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けては ならないこととしたものである。
なお、そもそも介護保険給付の対象となる指定訪問介護の サービスと明確に区分されるサービスについては、次のよう な方法により別の料金設定をして差し支えない。
イ 利用者に、当該事業が指定訪問介護の事業とは別事業であり、当該サービスが介護保険給付の対象とならないサービスであることを説明し、理解を得ること。
ロ 当該事業の目的、運営方針、利用料等が、指定訪問介護事業所の運営規程とは別に定められていること。
ハ 会計が指定訪問介護の事業の会計と区分されていること。
③ 同条第3項は、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提 供に関して、前2項の利用料のほかに、利用者の選定により 通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問介 護を行う場合の交通費(移動に要する実費)の支払を利用者 から受けることができることとし、保険給付の対象となって いるサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費 用の支払を受けることは認めないこととしたものである。
④ 同条第4項は、指定訪問介護事業者は、前項の交通費の支 払を受けるに当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族 に対してその額等に関して説明を行い、利用者の同意を得な ければならないこととしたものである。
(11) 保険給付の請求のための証明書の交付
居宅基準第21条は、利用者が市町村に対する保険給付の請求を容易に行えるよう、指定訪問介護事業者は、法定代理受領サ ービスでない指定訪問介護に係る利用料の支払を受けた場合は、 提供した指定訪問介護の内容、費用の額その他利用者が保険給 付を請求する上で必要と認められる事項を記載したサービス提 供証明書を利用者に対して交付しなければならないこととした ものである。
(12) 指定訪問介護の基本的取扱方針及び具体的取扱方針 居宅基準第22条及び第23条にいう指定訪問介護の取扱方針について、特に留意すべきことは、次のとおりである。
① 提供された介護サービスについては、目標達成の度合いや 利用者及びその家族の満足度等について常に評価を行うとと もに、訪問介護計画の修正を行うなど、その改善を図らなければならないものであること。
② 指定訪問介護の提供に当たっては、介護技術の進歩に対応 した適切なサービスが提供できるよう、常に新しい技術を習 得する等、研鑽を行うべきものであること。
(13) 訪問介護計画の作成
① 居宅基準第24条第1項は、サービス提供責任者は、訪問介 護計画を作成しなければならないこととしたものである。訪 問介護計画の作成に当たっては、利用者の状況を把握・分析 し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかに し(アセスメント)、これに基づき、援助の方向性や目標を 明確にし、担当する訪問介護員等の氏名、訪問介護員等が提 供するサービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかに するものとする。なお、訪問介護計画の様式については、各 事業所ごとに定めるもので差し支えない。
② 同条第2項は、訪問介護計画は、居宅サービス計画に沿っ て作成されなければならないこととしたものである。
なお、訪問介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成さ れた場合は、当該訪問介護計画が居宅サービス計画に沿った ものであるか確認し、必要に応じて変更するものとする。
③ 同条第3項は、訪問介護計画は、利用者の日常生活全般の 状況及び希望を踏まえて作成されなければならないものであ り、その内容について説明を行った上で利用者の同意を得る ことを義務づけることにより、サービス内容等への利用者の 意向の反映の機会を保障しようとするものである。したがっ て、サービス提供責任者は、訪問介護計画の目標や内容等に ついては、利用者又はその家族に、理解しやすい方法で説明 を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う ものとする。
④ 同条第4項は、訪問介護計画を作成した際には、遅滞なく 利用者に交付しなければならないこととしたものである。
なお、訪問介護計画は、居宅基準第39条第2項の規定に基 づき、2年間保存しなければならない。
⑤ サービス提供責任者は、他の訪問介護員等の行うサービス が訪問介護計画に沿って実施されているかについて把握する とともに、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。
⑥ 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第12号において、「介護支援 専門員は、居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス 事業者等に対して、指定居宅サービス等基準において位置付 けられている計画の提出を求めるものとする」と規定してい ることを踏まえ、居宅サービス計画に基づきサービスを提供 している指定訪問介護事業者は、当該居宅サービス計画を作 成している指定居宅介護支援事業者から訪問介護計画の提供 の求めがあった際には、当該訪問介護計画を提供することに 協力するよう努めるものとする。
(14) 利用者に関する市町村への通知
居宅基準第26条は、偽りその他不正な行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為又は重大な過失等により、 要介護状態又はその原因となった事故を生じさせるなどした者 については、市町村が、法第22条第1項に基づく既に支払った 保険給付の徴収又は法第64条に基づく保険給付の制限を行うこ とができることに鑑み、指定訪問介護事業者が、その利用者に 関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければな らない事由を列記したものである。
(15) 緊急時等の対応
居宅基準第27条は、訪問介護員等が現に指定訪問介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必 要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき 速やかに主治の医師(以下「主治医」という。)への連絡を行 う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
(16) 管理者及びサービス提供責任者の責務
居宅基準第28条は、指定訪問介護事業所の管理者とサービス提供責任者の役割分担について規定したものであり、管理者は、 従業者及び業務の一元的管理並びに従業者に居宅基準第2章第 4節(運営に関する基準)を遵守させるための指揮命令を、サ ービス提供責任者は、指定訪問介護に関するサービス内容の管 理について必要な業務等として、居宅基準第28条第3項各号に 具体的に列記する業務を行うものである。この場合、複数のサ ービス提供責任者を配置する指定訪問介護事業所において、サ ービス提供責任者間での業務分担を行うことにより、指定訪問介護事業所として当該業務を適切に行うことができているとき は、必ずしも1人のサービス提供責任者が当該業務の全てを行 う必要はない。
なお、サービス提供責任者は、利用者に対して適切な訪問介 護サービスを提供するために重要な役割を果たすことに鑑み、 その業務を画一的に捉えるのではなく、訪問介護事業所の状況 や実施体制に応じて適切かつ柔軟に業務を実施するよう留意す るとともに、常に必要な知識の修得及び能力の向上に努めなけ ればならない。
(17) 運営規程
居宅基準第29条は、指定訪問介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、同条 第1号から第7号までに掲げる事項を内容とする規程を定める ことを指定訪問介護事業所ごとに義務づけたものであるが、特 に次の点に留意するものとする。なお、同一事業者が同一敷地 内にある事業所において、複数のサービス種類について事業者 指定を受け、それらの事業を一体的に行う場合においては、運 営規程を一体的に作成することも差し支えない(この点につい ては他のサービス種類についても同様とする。)。
① 指定訪問介護の内容(第4号)
「指定訪問介護の内容」とは、身体介護、生活援助、通院等のための乗車又は降車の介助等のサービスの内容を指すものであること。
② 利用料その他の費用の額(第4号)
「利用料」としては、法定代理受領サービスである指定訪 問介護に係る利用料(1割負担又は2割負担)及び法定代理 受領サービスでない指定訪問介護の利用料を、「その他の費 用の額」としては、居宅基準第20条第3項により徴収が認め られている交通費の額及び必要に応じてその他のサービスに 係る費用の額を規定するものであること(以下、他のサービ ス種類についても同趣旨。)。
③ 通常の事業の実施地域(第5号)通常の事業の実施地域は、 客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常 の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目 安であり、当該地域を越えてサービスが行われることを妨げるものではないものであること(以下、居宅基準第53条第5 号、第73条第5号、第82条第5号、第100条第6号、第117条 第6号及び第200条第5号についても同趣旨。)。
(18) 介護等の総合的な提供
居宅基準第29条の2は、居宅基準第4条の基本方針等を踏まえ、指定訪問介護の事業運営に当たっては、多種多様な訪問介 護サービスの提供を行うべき旨を明確化したものである。指定 訪問介護事業は、生活全般にわたる援助を行うものであること から、指定訪問介護事業者は、入浴、排せつ、食事等の介護(身 体介護)又は調理、洗濯、掃除等の家事(生活援助)を総合的 に提供しなければならず(通院等のための乗車又は降車の介助 を行う指定訪問介護事業者についても、身体介護又は生活援助 を総合的に提供しなければならない。)、また、指定訪問介護事 業所により提供しているサービスの内容が、身体介護のうち特 定のサービス行為に偏ったり、生活援助のうち特定のサービス 行為に偏ったり、通院等のための乗車又は降車の介助に限定さ れたりしてはならないこととしたものである。また、サービス 提供の実績から特定のサービス行為に偏っていることが明らか な場合に限らず、事業運営の方針、広告、従業者の勤務体制、 当該事業者の行う他の事業との関係等の事業運営全般から判断 して、特定のサービス行為に偏ることが明らかであれば、本条 に抵触することとなる。
また、「偏っている」とは、特定のサービス行為のみを専ら 行うことはもちろん、特定のサービス行為に係るサービス提供 時間が月単位等一定期間中のサービス提供時間の大半を占めて いれば、これに該当するものである。
さらに、通院等のための乗車又は降車の介助を行う訪問介護 事業者について、都道府県知事が法第70条第1項に基づく指定 を行うに当たっては、事業所の所在地の市町村に対して意見を 求めることとする(確認すべき事項等については別に定める。)。
なお、居宅基準第29条の2は、基準該当訪問介護事業者には 適用されない。
(19) 勤務体制の確保等 居宅基準第30条は、利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、職員の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
① 指定訪問介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員等については、日々の勤務時間、職務の 内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提 供責任者である旨等を明確にすること。
② 同条第2項は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等に よって指定訪問介護を提供するべきことを規定したものであ るが、指定訪問介護事業所の訪問介護員等とは、雇用契約、 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等 に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」 という。)に規定する労働者派遣契約その他の契約により、 当該事業所の管理者の指揮命令下にある訪問介護員等を指す ものであること。なお、社会福祉士及び介護福祉士法の規定 に基づき、同法施行規則(昭和61年厚生省令第49号)第1条 各号に規定する口腔内の喀痰吸引その他の行為を業として行 う訪問介護員等については、労働者派遣法に基づく派遣労働 者(同法に規定する紹介予定派遣又は同法第40条の2第1項 第3号又は第4号に該当する場合を除く。)であってはなら ないことに留意すること。
③ 同条第3項は、当該指定訪問介護事業所の従業者たる訪問 介護員等の質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や 当該事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保すること としたものであること。
(20) 衛生管理等
居宅基準第31条は、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の 清潔の保持及び健康状態の管理並びに指定訪問介護事業所の設 備及び備品等の衛生的な管理に努めるべきことを規定したもの である。特に、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等が感染源 となることを予防し、また訪問介護員等を感染の危険から守る ため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備える など対策を講じる必要がある。
(21) 秘密保持等
① 居宅基準第33条第1項は、指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又はその 家族の秘密の保持を義務づけたものである。
② 同条第2項は、指定訪問介護事業者に対して、過去に当該 指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者であった 者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏ら すことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたもので あり、具体的には、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介 護事業所の訪問介護員等その他の従業者が、従業者でなくな った後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者と の雇用時等に取り決め、例えば違約金についての定めをおく などの措置を講ずべきこととするものである。
③ 同条第3項は、訪問介護員等がサービス担当者会議等にお いて、課題分析情報等を通じて利用者の有する問題点や解決 すべき課題等の個人情報を、介護支援専門員や他のサービス の担当者と共有するためには、指定訪問介護事業者は、あら かじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要 があることを規定したものであるが、この同意は、サービス 提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得てお くことで足りるものである。
(22) 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止
居宅基準第35条は、居宅介護支援の公正中立性を確保する ために、指定訪問介護事業者は、居宅介護支援事業者又はそ の従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービ スを利用させることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならないこととしたものである。
(23) 苦情処理
① 居宅基準第36条第1項にいう「必要な措置」とは、具体 的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当該事業所 における苦情を処理するために講ずる措置の概要について 明らかにし、利用申込者又はその家族にサービスの内容を 説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて 記載するとともに、事業所に掲示すること等である。
② 同条第2項は、利用者及びその家族からの苦情に対し、 指定訪問介護事業者が組織として迅速かつ適切に対応する ため、当該苦情(指定訪問介護事業者が提供したサービス とは関係のないものを除く。)の受付日、その内容等を記 録することを義務づけたものである。
また、指定訪問介護事業者は、苦情がサービスの質の向 上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の 内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行 うべきである。
なお、居宅基準第39条第2項の規定に基づき、苦情の内 容等の記録は、2年間保存しなければならない。
③ 同条第3項は、介護保険法上、苦情処理に関する業務を 行うことが位置付けられている国民健康保険団体連合会の みならず、住民に最も身近な行政庁であり、かつ、保険者 である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が 生ずることから、市町村についても国民健康保険団体連合 会と同様に、指定訪問介護事業者に対する苦情に関する調 査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたも のである。
(24) 地域との連携
居宅基準第36条の2は、居宅基準第3条第2項の趣旨に基 づき、介護相談員を派遣する事業を積極的に受け入れる等、 市町村との密接な連携に努めることを規定したものである。 なお、「市町村が実施する事業」には、介護相談員派遣事業 のほか、広く市町村が老人クラブ、婦人会その他の非営利団 体や住民の協力を得て行う事業が含まれるものである。
(25) 事故発生時の対応
居宅基準第37条は、利用者が安心して指定訪問介護の提供を受けられるよう、事故発生時の速やかな対応を規定したも のである。指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問 介護の提供により事故が発生した場合は、市町村、当該利用 者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に対して 連絡を行う等の必要な措置を講じるべきこととするとともに、 当該事故の状況及び事故に際して採った処置について記録し なければならないこととしたものである。
また、利用者に対する指定訪問介護の提供により賠償すべ き事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければ ならないこととしたものである。
なお、居宅基準第39条第2項の規定に基づき、事故の状況 及び事故に際して採った処置についての記録は、2年間保存しなければならない。
このほか、以下の点に留意するものとする。
① 利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生し た場合の対応方法については、あらかじめ指定訪問介護事 業者が定めておくことが望ましいこと。
② 指定訪問介護事業者は、賠償すべき事態において速やか に賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくか、又は 賠償資力を有することが望ましいこと。
③ 指定訪問介護事業者は、事故が生じた際にはその原因を 解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。
(26) 会計の区分
居宅基準第38条は、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事 業所ごとに経理を区分するとともに、指定訪問介護の事業の会 計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととした ものであるが、具体的な会計処理の方法等については、別に通 知するところによるものであること。