【訪問看護】運営基準(解釈通知)

3 運営に関する基準
(1) サービス提供困難時の対応
指定訪問看護事業者が、指定訪問看護の提供を拒否する正当 な理由としては、第三の一の3の(2)に示した理由のほか、利用 申込者の病状等により、自ら適切な訪問看護の提供が困難と判 断した場合が該当するが、これらの場合には、居宅基準第63条 の規定により、指定訪問看護事業者は、主治医及び居宅介護支 援事業者への連絡を行い、適当な他の指定訪問看護事業者等を 紹介する等の必要な措置を速やかに講じなければならない。
(2) 利用料の受領
① 居宅基準第66条第1項、第3項及び第4項については、第三の一の3の(10)の1、3及び4を参照されたいこと。
② 同条第2項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点か ら、法定代理受領サービスでない指定訪問看護を提供した際 にその利用者から支払を受ける利用料の額及び法定代理受領 サービスである指定訪問看護に係る費用の額と、医療保険給 付又は訪問看護療養費の対象となる健康保険法上の指定訪問 看護の費用の額の間に不合理な差異を設けてはならないこととしたものであること。
なお、そもそも介護保険給付、医療保険給付又は訪問看護療養費の給付対象となる訪問看護と明確に区分されるサービ スについては、第三の一の3の(10)の2のなお書きを参照され たいこと。
(3) 指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針 居宅基準第67条及び第68条にいう指定訪問看護の取扱方針において、特に留意すべきことは、次のとおりであること。
① 指定訪問看護は、利用者の心身の状態を踏まえ、妥当適切 に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治医との 密接な連携のもとに訪問看護計画に沿って行うこととしたものであること。
② 指定訪問看護の提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問看護計画の修正を 行い改善を図る等に努めなければならないものであること。
③ 利用者の健康状態と経過、看護の目標や内容、具体的な方 法その他療養上必要な事項について利用者及び家族に理解し やすいよう指導又は説明を行うこと。
④ 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に沿った適 切な看護技術をもって対応できるよう、新しい技術の習得等、 研鑽を積むことを定めたものであること。
⑤ 医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等 については行ってはならないこと。
(4) 主治医との関係(居宅基準第69条)
① 指定訪問看護事業所の管理者は、利用者の主治医が発行す る訪問看護指示の文書(以下、第三の三において「指示書」 という。)に基づき指定訪問看護が行われるよう、主治医と の連絡調整、指定訪問看護の提供を担当する看護師等の監督 等必要な管理を行わなければならないこと。なお、主治医と は、利用申込者の選定により加療している医師をいい、主治 医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできな いものであること。
② 居宅基準第69条第2項は、指定訪問看護の利用対象者は、 その主治医が指定訪問看護の必要性を認めたものに限られる ものであることを踏まえ、指定訪問看護事業者は、指定訪問 看護の提供の開始に際しては、指示書の交付を受けなければ ならないこととしたものであること。
③ 指定訪問看護事業所の管理者は、主治医と連携を図り、適 切な指定訪問看護を提供するため、定期的に訪問看護計画書 及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと。
④ 指定訪問看護の実施に当たっては、特に医療施設内の場合 と異なり、看護師等が単独で行うことに十分留意するととも に慎重な状況判断等が要求されることを踏まえ、主治医との 密接かつ適切な連携を図ること。
⑤ 保険医療機関が指定訪問看護事業者である場合には、主治 医の指示は診療録に記載されるもので差し支えないこと。ま た、訪問看護計画書及び訪問看護報告書についても看護記録 等の診療記録に記載されるもので差し支えないこと。
(5) 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
① 居宅基準第70条は、看護師等(准看護師を除く。)が利用者ごとに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成することとしたものである。
② 看護師等は、訪問看護計画書には、利用者の希望、主治医の指示及び看護目標、具体的なサービス内容等を記載する。 なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合には、 当該計画に沿って訪問看護の計画を立案する。
③ 看護師等は、訪問看護計画書の目標や内容等について、利 用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、 その実施状況や評価についても説明を行う必要がある。
④ 訪問看護計画書は、居宅サービス計画に沿って作成されな ければならないこととしたものである。
なお、訪問看護計画書を作成後に居宅サービス計画が作成 された場合は、当該訪問看護計画書が居宅サービス計画に沿 ったものであるか確認し、必要に応じて変更するものとする。
⑤ 訪問看護計画書は、利用者の希望、主治医の指示及び心身 の状況を踏まえて作成されなければならないものであり、サ ービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障するため、 看護師等は、訪問看護計画書の作成に当たっては、その内容 等を説明した上で利用者の同意を得なければならず、また、 当該訪問看護計画書を利用者に交付しなければならない。な お、交付した訪問看護計画書は、居宅基準第73条の2第2項 の規定に基づき、2年間保存しなければならない。
⑥ 指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、居宅基 準第69条第4項により、主治の医師への訪問看護計画書の提 出は、診療記録への記載をもって代えることができることと されているため、居宅基準第70条第4項に基づく訪問看護計 画書の交付については、「訪問看護計画書及び訪問看護報告 書等の取扱いについて」(平成12年3月30日老企第55号)に 定める訪問看護計画書を参考に各事業所ごとに定めるものを 交付することで差し支えない。
⑦ 看護師等は、訪問看護報告書には、訪問を行った日、提供 した看護内容、サービス提供結果等を記載する。なお、居宅 基準第70条に規定する報告書は、訪問の都度記載する記録と は異なり、主治医に定期的に提出するものをいい、当該報告 書の記載と先に主治医に提出した訪問看護計画書(当該計画書を居宅基準第69条第4項において診療記録の記載をもって 代えた場合を含む。)の記載において重複する箇所がある場 合は、当該報告書における重複箇所の記載を省略しても差し 支えないこととする。
⑧ 管理者にあっては、訪問看護計画に沿った実施状況を把握 し、計画書及び報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行 わなければならない。
⑨ 指定訪問看護事業者は、主治医との連携を図り、適切な指 定訪問看護を提供するため、訪問看護計画書及び訪問看護報 告書を定期的に主治医に提出しなければならない。
⑩ 居宅サービス計画に基づきサービスを提供している指定訪 問看護事業者については、第三の一の3の(13)の6を準用する。 この場合において、「訪問介護計画」とあるのは「訪問看護 計画」と読み替える。
(6) 記録の整備
指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、居宅基準 第73条の2により整備すべき記録のうち、指示書、訪問看護計 画書及び訪問看護報告書については、診療録及び診療記録の保 存でも差し支えない。
(7) 準用
居宅基準第74条の規定により、居宅基準第8条、第9条、第11条から第13条まで、第15条から第19条まで、第21条、第26条、 第30条から第38条まで及び第52条の規定は、指定訪問看護の事 業について準用されるものであるため、第三の一の3の(1)、(2)、 (4)から(9)まで、(11)、(14)及び(19)から(26)まで並びに第三の二の3の (4)を参照されたい。この場合において、次の点に留意するもの とする。
① 居宅基準第13条(心身の状況等の把握)中「心身の状況」 とあるのは、「心身の状況、病歴」と読み替えられること。
② 準用される居宅基準第30条については、指定訪問看護ステーションにおいては、原則として月ごとの勤務表を作成し、 看護師等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・ 非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にすること。指定 訪問看護を担当する医療機関においては、指定訪問看護事業 所ごとに、指定訪問看護に従事する看護師等を明確にし、原則として月ごとの勤務表を作成し、それらの者の職務の内容、 常勤・非常勤の別等を明確にすること。なお、指定訪問看護 事業所の看護師等については、労働者派遣法に規定する派遣 労働者(紹介予定派遣に係る者を除く。)であってはならな いものであること。